犬のフィラリア症(糸状虫症)

  • 2017-5-19
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オーナーさんにとって「フィラリア」は、もう馴染み深い言葉だと思います。フィラリア症は薬によって予防できる病気ですので、定期的に薬を投与しているオーナーさんがほとんどではないでしょうか。大切な愛犬の命を危険にさらすことのないよう、病気に対する理解を深めてしっかり守ってあげましょう。

フィラリア症とは

蚊を介してフィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)が犬の体内に入り込み、寄生されることで様々な障害を引き起こす病気です。
ミクロフィラリアが血管の中を通って心臓や肺の血管に寄生し、長い時間をかけて増殖して、心臓や肺に大きなダメージを与えていきます。深刻な症状があらわれるのは、フィラリアに感染してから何年も経ってからというケースが多く、そこではじめて感染に気付くのです。

症状

心臓や肺の血管内で長い時間を経て増殖すると、全身に血液を送り出す働きが邪魔されて血液の流れが悪くなり、呼吸器障害がおきます。その結果、乾いた咳、元気がない、食欲がない、といった症状が出始めます。さらに進行すると、腎臓や肝臓にまで影響が及んで、お腹に水がたまる腹水や尿に血が混じる血尿、といった症状がみられるようになり、命を脅かすのです。

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感染経路

フィラリアは以下の1~4のサイクルを繰り返し、蚊によって運ばれ広がっていきます。

1.蚊を介して幼虫が体内に侵入
フィラリアに感染した犬の血液中には、フィラリアの幼虫(ミクロフィラリア)がいます。感染した犬を蚊が吸血することで、蚊の体内にミクロフィラリアが入ります。その蚊が別の犬を吸血したときに、犬の体内(皮膚の下)に侵入します。

2.犬の体内で成長
犬の体内に侵入したフィラリアは皮膚の下で脱皮をくり返して成長していきます。

3.血管内に侵入
成長した幼虫は2~3ヶ月程度で血管に到達し、血管を通って心臓や肺にまで移動していきます。

4.ミクロフィラリアを産生
心臓や肺の血管に寄生し、成虫となってオスとメスが揃うとミクロフィラリアを生み出して、体内に移動していきます。(1に戻る)

予防

一般的に、フィラリア予防薬は一ヶ月ごとに投与します。
ミクロフィラリアが体内に侵入してから血管に入り、心臓や肺の動脈に移動するまでに2~3ヶ月くらいかかります。予防にはこの期間が非常に重要なポイントで、ミクロフィラリアが皮膚の下で生活している間は、犬の体に影響はありません。血管に到達して移動を開始する前に、フィラリアの成長を阻止・駆除することができれば良いのです。
したがって、どのタイミングでフィラリアが体内に侵入しても、1ヶ月に1回投与していれば確実に予防できるのです。あらかじめ毎月○日と覚えやすい日を決めておくと良いでしょう。数日程度のズレは許容範囲ですので、遅れても確実に投与するようにしましょう。

注意すること

毎年、投薬を開始するときや、はじめてフィラリア予防薬を利用する場合には、必ず診察を受けてから処方してもらいましょう。もしフィラリアに感染していた場合、予防薬を投与してしまうと非常に危険です。
予防薬によって死滅した虫の死骸が血管につまったり、異物として体が反応して急激なアレルギー反応が起こったりと、状態を悪化させてしまうことがあるからです。

フィラリア症は薬によって確実に予防できる病気ですので、毎年必ず定期的に投与しましょう。
また、予防薬には効能効果の範囲や形状(内服薬、注射薬、スポットタイプ)など様々な種類があります。
服用期間も含めて、詳しくは動物病院へご相談ください。
なお、フィラリアの予防薬は、薬機法(旧薬事法)で「要指示医薬品」に指定されおり、獣医師の処方せん(指示書)が必要です。

画像:http://www.shutterstock.com/

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